こんにちは。アメリカで経済学 Ph.D. 留学中のたなぱんだです。
この記事では、ミズーリ州・セントルイス(St. Louis)でどのエリアに住めば良いかを、治安面や利便性の観点から解説します。
旧ブログで最も閲覧数があった記事の改訂版です。
日本人でセントルイスに移住される方の多くは、私も通う Washinton University in St. Louis (セントルイス・ワシントン大学、以下 WashU)かその近隣の大学に所属される方だと思います。ですので、以下では、セントルイス都市圏の中でも大学近隣のエリアに話を絞らせていただきます。
行政区分で言えば、①セントルイス市(City of St. Louis)と②セントルイス郡(St. Louis County)のうちセントルイス市に近い部分に絞ります。
私は留学生の身分なので、特に学生やポスドクの若手研究者の方を念頭にお話しします。
セントルイスで住む場所を選ぶ時の注意点
セントルイスで家を探す際には、① 全米でも犯罪の多い都市であること、② 地方都市のため車を持っていることを前提とした街づくりになっていること、の2点を意識すべきです。
しかし、①に関しては、セントルイスでは「治安が悪い場所」と「治安がいい場所」というのは非常にはっきりしており、治安の良い場所に住んでしまえば、治安の悪い場所と関わることなく生活することができます。
都市によっては、「家の周りは治安はいいけど、治安が悪い区画を通らないとスーパーに行けない」みたいなところもあると聞きます
また、②に関しては、セントルイスの中にも徒歩だけで充実したエリアはあります。
以下では、次の地図の色分けに沿って、お勧めできるエリアと避けるべきエリアをご紹介します。
お勧めできるエリア
1.西エリア
地図中、青色で塗ってあるのが西エリアです。WashU のダンフォース・キャンパス(地図中左側の WashU マーク)の周辺地域にあたります。
この辺りは犯罪件数が少なく、治安が非常に良いエリアです。とくに、ダンフォース・キャンパスの西側にあるクレイトン (Clayton) エリアは、落ち着いた雰囲気で非常に人気の住宅街です。私が所属する WashU の経済学 PhD コースでも、学生の大半はこの西エリア内に住んでいる印象です。
なお、このエリアで住居を探される際、とくに車を買われる予定がない場合には、徒歩 or 自転車移動圏内にスーパーがあるかを確認してください。西エリアは車を持っていることを前提にした街づくりになっているので、「商店街」のようなものが少ないです。下手な場所に家を借りてしまうと、最寄りのスーパーまで徒歩20分みたいなことになってしまいます。
「Schnucks(シュナックス)」というご当地スーパーが定番です。また、ダンフォース・キャンパスの北側には、「United Provisions」というアジア食品を扱うスーパーもあります。
どうしても近くにスーパーがない場合には、Instacart(インスタカート)などの買い物代行アプリを利用する手もあります。しかし、手数料やチップ代もバカにならないので、自分で買い物に行ける方法があった方が無難です。
なお、I-170(州間高速道路の170号線、地図中の左の方にあるオレンジの縦線)より西側のエリアについては、治安はいいのですが大学までの距離が遠すぎます。ですので今回は対象外とします。
2.セントラル・ウェスト・エンド(CWE)地区
地図中、緑色で塗ってあるのがセントラル・ウェスト・エンド地区です。英語で Central West End なので CWE と略します。
このエリアは、利便性が非常に良い点でお勧めです。CWE はセントルイス随一の街歩きスポットとして知られており、徒歩圏内に複数のスーパーマーケット(Whole Foods Market、Straubs、Schnucks)のほか、本屋や雑貨屋、そして数多くの飲食店などが立ち並びます。車を買わず徒歩中心で生活しようとしている方には、うってつけのエリアかと思います。
お寿司を提供しているお店や、ハワイ式の海鮮丼(ポキ)のお店、ラーメンを出しているお店など、日本人の口に合う飲食店も多いです。
WashU のメディカル・キャンパス(図中右側の WashU マーク)があるため、(日本人に限らず)医学部やその関連病院に所属する人の多くがこの辺りに住んでいます。そのため、単身向けのアパートも多いです。エリア内には、Central West End 駅があるので、WashU のダンフォース・キャンパスへの通勤・通学も可能です。
利便性を取る分、治安面が西エリアに劣るのがデメリットです。ただ、女性が軽装で出歩いていたりするので、後述するダウンタウンなどに比べれば、はるかに治安はいいと思います。
ここまでをまとめると、
治安の良さを優先したい → 西エリア
利便性を優先したい → CWE
となります。
避けるべきエリア
1.ダウンタウン及びその周辺
地図中で、濃い赤色で塗ってあるのがダウンタウンです。また、薄い赤色で塗ってあるのがその周辺エリアです。
これらのダウンタウン+周辺エリアは、治安が悪いため住居選びの際は避けるべきです。また、スーパーも小規模なものしかないため、日々の買い物などにも不便です。
東西の目安としては、赤色エリアと緑色エリアの境界あたりにセントルイス大学(Saint Louis University)があるのですが、そこより東側には住むべきではありません。
セントルイス大学に通われる方は、大学の寮などでない限り、キャンパスの西側に家を借りるべきです。
ダウンタウンには、セントルイス名物の「アーチ」という巨大なモニュメント(?)や、セントルイス・カージナルスの本拠地であるブッシュ・スタジアムなど、観光施設が多くあります。「そうした観光施設に日頃から徒歩で通いたい」という強い希望があるのであれば、ダウンタウンに住むことも選択肢だとは思います。ただ、多くの方にとっては、治安と買い物の利便性を犠牲にしてまでこのエリアに住むというというのは現実的でないと思います。
2.北エリア
地図中で茶色く塗ってあるのが北エリアです。
この北エリアも治安が悪いため、住居選びの際には避けるべきです。原則は「デルマー通り(Delmar blvd)を大きく北に超えない」と覚えましょう。
なお、西側地区(地図の青色部分)の北側であれば、デルマー通りを多少超えても問題ないです。実際このエリアには、デルマー通りから北に2ブロックくらい外れたところに WashUの大学院生向けのアパートがあったりします。ただ、「西側エリア近辺であっても、デルマー通りの北側を走るオリーブ通り(Olive blvd)の北は避けるべき」です。
なお、フォレストパーク(2つのWashUマークの間の白い部分)という公園の北側に関しては、フォレストパーク〜デルマー通りのエリアも避けた方が無難です。この辺りにも学生は結構住んでいるのですが、① 周囲にスーパーがなく不便である、② 最近では空き巣被害などの情報が入っているためです。
3.南エリア
地図中で黄色く塗ってあるのが南エリアです。
このエリアの中には治安が良い場所も多く、近くに大型のスーパーがあるところもあるのですが、大学に通うには不便すぎます。
このエリアには電車が通っていないですし、大学に直通のバスもありません。また、徒歩や自転車でキャンパスに通うには距離があります。ですので、車を持っていない限りはキャンパスに通勤・通学するのは非常に困難なエリアだと思います。
また、大学へのアクセスが悪いこともあって、学生向けのアパートの数も限られます。
まとめ
この記事では、セントルイスの住居選びでお勧めできるエリアと避けるべきエリアを紹介しました。
一般的には「犯罪が多い都市」というイメージが強いセントルイスですが、アメリカの他の都市と同じく、住む場所さえ間違えなければ身の危険を感じることはありません。
この記事が皆さんの住居選びの参考になれば嬉しいです。
個別のご相談にも乗れますので、ご不明点などがあればお問い合わせよりご連絡ください!
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