経済学をやっていると、TeX環境以外、例えばメールやチャット、分析プログラムのコメントなどでギリシャ文字を入力したくなることがあると思います。
そういう時にギリシャ文字を入力する方法がわからず「lambda」や「kappa」などと英語で綴ってしまうと文章の視認性が落ちてしまいます。
この記事では、スマホやパソコンでギリシャ文字を簡単に入力する方法について解説します。
先日 X(旧Twitter)で投稿したら、経済学関係の方にそこそこリアクションしていただいたので、ブログでも紹介します。
経済学徒にお願いです。メールとかチャットでlambdaとかkappaとか書かれると煩わしいので、スマホとパソコンにギリシャ語キーボードを追加してください。便利です。
— たなぱんだ (@TanaPanda25) July 18, 2024
どのOSでも「キーボードを追加」的な設定項目があります。詳細はGoogle先生かAI先生に訊いてください。よろしくお願いします。 pic.twitter.com/jE9MrELy6K
結論:ギリシャ語キーボードをインストールする
結論から言ってしまうと、ギリシャ語キーボードをインストールすると良いです。
例えば、iPhone や iPad の場合は、後述の設定をすることでキーボード画面の地球儀マークから、下のスクショのようなギリシャ語キーボードを呼び出せるようになります。
なぜ日本語入力じゃ不十分か?
日本語入力を使っている場合は、ギリシャ文字の読み方を入力して変換することで、その文字を呼び出すことができます。例えば、「δ」を入力したい場合、「でるた」と打って変換キーを押せば、変換候補の中に「δ」が含まれています。
一見するとこれで十分な気がしますが、この方法は入力効率が悪く面倒です。
経済学でギリシャ文字を入力したい時は、往々にして以下のような数式を入力している時です。
k_{t+1} = (1-\delta) k_t + x_t
その時には、キーボードは英語入力モードになっているかと思います。その状態から日本語を経由してギリシャ文字(例えばδ)を入力しようとすると、
- キーボード切り替えのキーを押す
- d → e → r → u → t → a の順にタイプ
- 変換キーを押す
- return(enter)キーで確定
と多くのキーを押さなければなりません。一方、今回紹介する方法だと、
- キーボード切り替えキーを押す
- 対応するキーを押す(δの場合 d)
のわずか2手ですみます。
ギリシャ語キーボードのインストール方法
macOS の場合
- メニューバーのリンゴマークをクリックし、「システム環境設定」を選ぶ。
- 出てきた設定ウィンドウのサイドバーから「キーボード」を選択。
- 「テキスト入力」の欄の「編集」をクリック。
- 出てきたウィンドウの左下にある「+」をクリックし、「ギリシャ語」を追加する。
iPhone / iPad の場合
- 設定アプリ(灰色の歯車のアイコン)を開く。
- 「一般」を開く。
- 「キーボード」を開く。
- 一番上の「キーボード」をタップしてから、「新しいキーボードを追加」を選び「ギリシャ語」を使いします。
Windows の場合
このページなどを参照してください。
Android OS の場合
このページなどを参照してください。
キーボードの切り替え方法
Apple 製品(Mac、iPhone、iPad)と Android OS の場合は、地球儀マークを押すことで入力言語を切り替えられます。
Windows の場合は、Windowsマークを押しながらスペースキーを押すことで入力言語を切り替えられるようです。
(AndroidとWIndowsは使っていないので、もしかしたら情報が古いかもしれません…)
アドバイス
スマホの場合は、画面上にギリシャ語の仮想キーボードが表示されるので、入力したい文字をタップするだけで非常に簡単です。
一方、パソコンの場合は、どのキーがどのギリシャ文字に対応しているかを覚える必要があるので、最初は多少苦労するかもしれません。基本的には、英語で綴った時の頭文字に対応(例:α→a)しています。
下がギリシャ文字と英字キーの対応表です。読み方の頭文字と英字キーが一致していない部分は赤字で示しています。
ギリシャ文字 | 対応する英字キー | 読み方 |
---|---|---|
Α・α | a | alpha(アルファ) |
Β・β | b | beta(ベータ) |
Γ・γ | g | gamma(ガンマ) |
Δ・δ | d | delta(デルタ) |
Ε・ε | e | epsilon(イプシロン) |
Ζ・ζ | z | zeta(ゼータ) |
Η・η | h | eta(エータ) |
Θ・θ | u | theta(シータ) |
Ι・ι | i | iota(イオタ) |
Κ・κ | k | kappa(カッパ) |
Λ・λ | l | lambda(ラムダ) |
Μ・μ | m | mu(ミュー) |
Ν・ν | n | nu(ニュー) |
Ξ・ξ | j | xi(クサイ) |
Ο・ο | o | omicron(オミクロン) |
Π・π | p | pi(パイ) |
Ρ・ρ | r | rho(ロー) |
Σ・δ | s | sigma(シグマ) |
Τ・τ | t | tau(タウ) |
Υ・υ | y | upsilon(ウプシロン) |
Φ・φ | f | phi(ファイ) |
Χ・χ | x | chi(カイ) |
Ψ・ψ | c | psi(プシー) |
Ω・ω | v | omega(オメガ) |
僕の場合、一致していないもののうち、η、υ、φ、χは以下のような覚え方をしました。
- h → η:大文字が「H」の形で共通だから
- f → φ:ファイとローマ字打ちすると「fai」なので「f」
- y → υ:ウプシロンを「ユプシロン」っぽく発音することもあるので「y」
- x → χ:見た目が似ているから
それ以外のθ、ξ、ψ、ωは慣れで覚えました(いい覚え方があれば教えてください)。
まあ、全てのギリシャ文字の打ち方を覚える必要はないので、自分の中でよく使うものだけ覚えれば十分かなとも思います。
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